パイオニアと丸紅のCDS参考値が高い。
こちらのサイト
債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら 「納得できますか」
を読んで、CDSが気になり調べてみた。
まず、日本のCDS参考値が出ているサイト。
http://www.j-cds.com/jp/index.html
CDSとは、簡単に言えば、債務不履行を起こした際の損失を補償する代わりに、保証料を受け取れる商品。
債務不履行を起こす可能性が高ければ、自分が損失を補償する可能性が高くなる。
損失を補償する可能性が高いのに、安い保証料だと割に合わない。なので、損失を補償する可能性が高ければ、保証料も高くなる。
ということで、損失を補償する可能性(債務不履行を起こす可能性)が高い、と市場が判断すれば、保証料(この場合、CDS参考値)も自然と高くなるのである。
参考値(2月20日時点)が高いもので気になったのは下記。
パイオニア:2,287.50
三洋、ソニー、シャープ等は200台。それに対してパイオニアは2287.50。これはBP(1BPは0.01%)での表示なので、普通の%表示に変えれば、22.8%ものプレミアムを貰える、ということになる(三洋等は2%台)。100円出せば、22円の保証料が返ってくるということになる。
パイオニアは、プラズマテレビ、ブルーレイ(またはDVD)ディスクプレーヤー/レコーダー、スピーカー系の音響機器がメイン商品だ。
http://pioneer.jp/product/index.html?ref=topswf1
例えば、2008年第4四半期、パイオニアの北米市場のプラズマテレビシェアは、2.6%。また、テレビ全体では1070万台も出荷しているが、プラズマテレビは130万台と、出荷台数も多くない(他は液晶テレビ)。*1
ブルーレイディスクレコーダーでは、このサイトhttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/09/news014.htmlによれば、ソニー、松下電器、シャープの3社が3強なようで、パイオニアの名前は出てこない。
このように、作っている製品があまり振るわない状況が、パイオニアのCDS参考値を高く押し上げているのではないだろうか。
丸紅:1,240.00
他商社では、伊藤忠商事が775.00、豊田通商が191.67、三井物産が244.69、住友商事が449.47、三菱商事が203.40となっている。
伊藤忠も高いが、丸紅が突出して高い。
理由はよく分からない。今期の投資活動によるキャッシュフローがマイナスだから、とか、丸紅の固定負債/総資本の比率が高いこととかも関係あるのだろうか。(三菱商事が34.8%に対し、丸紅は47.5%。)
他に気になったのは、住友不動産の712.00。三菱地所、三井不動産が200台なのに対し、この数字。
住友不動産を高い、と見るべきなのか、昨今の不動産市況から、三菱地所、三井不動産を低い、と見るべきなのか。
また、アイフルが3680、武富士は3310と非常に高かった。他には、アコムが837.50、プロミスが1,362.50。
業界的に高い。
そして、日本航空が1,691.25、全日本空輸が1,006.00。
日本航空はぐっちーさんが紹介していた通りの値だ。
航空は世界的な価格競争があって国際線は難しい、国内も新幹線との競争があって難しい、という八方塞な状況であり、先の見込みが難しいこと等あるのだろうか。
また、日本航空は累積損失が大きいはずだ。
これもぐっちーさんが紹介していたが、ソフトバンクも1,710.00と高い。
ソフトバンクはボーダフォンを買収する際にかかった1兆7500億円のうち、1兆2,800億円を借り入れ、その後ボーダフォンを証券化し、1兆4,500億円を資金調達した。
莫大なお金によってボーダフォンを買収したにも関わらず、劇的な効果が見られていない、という辺りからCDS参考値が高いのだろうか。
他に、大成建設、西松建設、荏原製作所、IHI、オリックスも1000BP超えと高いが、このへんは個人的にイメージがつきにくいので割愛する。
西松建設は最近のニュースもあり高いのかも?と思った。
*1
本来なら世界シェア等を持ってくるべきであろうが、直近のデータで北米がすぐに見つかったので、北米のデータを利用した。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090213/324707/
*2
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/28563.html
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/31247.html
を参照した。